皆さんこんにちは、茨城の鈴木です。
新型コロナウィルスによるこの未曾有の事態。毎日大変だと思いますが、一致団結してこの事態を乗り越えてまた楽しく釣りが出来る日を迎えたいものですね。
さて、今日はFishmanのベイトロッドとサーフゲームの歩みを振り返ってみたいと思います。
遠投が基本であり飛距離が求められるサーフの釣り。今だから言いますが、実は最初の頃は周囲からは「どうせ大して飛ばないくせに!」「サーフの釣りをナメるな!」などと散々な言われようでした(笑)。それでも、この楽しい釣りを何とか世に広めたいと思い、苦しみながらもこの釣りと向かい合ってきました。
●ベンダバール8.9Mに足りなかったもの
まず、1枚目の写真。
この時のセッティングですが、VENDAVAL8.9MにPEの3.0号を合わせて使っていました。当時は快適と思っていましたが、使い込んでいくうちに段々と足りないものが見えてきました。さらなる遠投性能、感度、操作性、長さ。そして、もっと細いPEラインで躊躇なくフルキャスト出来る性能が必要でした。
●喜びよりも胸をなでおろした思い出のヒラメ
そして、2枚目の写真。
この時はBRIST MARINO10.6MHのプロトが手元に届いたばかり。ちなみにこの時はまだ10.6Mとして開発テストをしていました。サーフ用と聞いていたので期待していたのですが、フラットフィッシュを焦点に当てたロッドではなく、ほとんど青物用ロッドと言える強いロッドだったため、自分のサーフゲームにはあまりハマらないロッドでした。
しかも、急遽他のスタッフにも送らなければならなくなり、1週間ちょっとしか手元に置いておけないというリアル。さらに追い討ちをかけるように、その期間中にデカいヒラメを釣れという無茶なミッションが科せられました(汗)。
そんな中、キッチリと言われた期間中に釣り上げたこのヒラメ。正直、嬉しさというよりも安堵しかなかったですね(笑)。
このヒラメを釣り上げた時は マリノ10.6MHにPEの3号を合わせていました。ロッドが強すぎて当時は太いPEと重いルアーの組み合わせでしたが、時期的に大型のヒラメが狙える時期だったために通用したと考えています。
この時に、サーフのフラットフィッシュゲームでオールシーズン使える、「基本となるベイトロッド」の必要性を強く感じたため、Fishman代表の赤塚ケンイチ氏に要望を出し、Beams CRAWLA 9.2L+をベースとした設計図を書いて送り、10.1Mのプロトを作ってもらいました。
●重量級ジグを使いこなすには、さらなる張りが必要だ
3枚目の写真。
10.1Mのプロトロッドで釣り上げた座布団ヒラメ。この時のプロトは巻きの釣りは非常にしやすかったのですが、重めのジグヘッドを使用したワームの釣りをするには少し張りが不足していました。そこで、次のプロトではもう少しだけ張りを強めてもらうことに。
●10.1M。その名は、「疾風」
そして最後、4枚目の写真。
現状で出来うる全てのものを詰め込んでもらった、10.1Mのプロト。ここで初めてネームが決まりました。
その名は『BRIST VENDAVAL 10.1M』。
「ベンダバール」はスペイン語で「疾風」「一陣の風」を表す言葉であり、Fishmanでは「長距離砲」の愛称で呼ばれる力強いロッド。まさか、Fishmanの看板とも言えるVENDAVALの名を冠する事になるとは思っていなかったため、驚きました。
そのVENDAVAL10.1Mで仕留めた、85cmの特大座布団ヒラメ。
実はこの日、ちょうど北海道のFishmanオフィスでは、赤塚ケンイチ氏とデザイナーの方がカタログ作りの最終調整中でした。打ち合わせを終え、GOサインを出したところに私がこの写真を送ったせいで、10.1Mのカタログページを作り直すことになったそう。赤塚代表からは「なんともデザイナー泣かせな奴だな!」と笑われてしまったのは良い思い出です(笑)。
最初は私のワガママから始まったプロジェクトですが、各地のFishmanスタッフたちが協力してくれたおかげで素晴らしいロッドに仕上がりました。先日の発売以降、多くの方から入手報告のメッセージをいただき、本当に嬉しく思います。ありがとうございます。
これから長きにわたって皆さんの人生にドラマをもたらしてくれる1本だと確信しておりますので、この騒動が落ちついた際には、フィールドでVENDAVAL10.1Mと思う存分遊んであげてくださいね!
■タックル
ロッド:ブリストベンダバール8.9M、ブリストマリノ10.6MH、ブリストベンダバール10.1M(フィッシュマン)
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