実を申しますとです。
2022年の10月中、半月掛けて、FishmanTVとして、地元の落ち鮎シーバスを動画に収めるべく、右往左往しておりました。
だがしかし、カメラマンの予定と状況は選べなかった…。ことごとく予定日は状況が悪かった。最初はド渇水、2日半の撮影のさなかにも、どんどん水位が下がる中、悪戦苦闘したけど駄目だった…。
それから数週、毎日毎日、状況を見つめてた。川を歩き、何とかならないか、せめて再撮影出来ないか…と…。毎日毎日ホゲまくり、今季の記憶に残るシーバスを見付けても、それに手を出す事も出来ず、ただ針を外したルアーを投げ、バイトだけを拾い、魚を探し、場所を探したけど…。
ごめんなさい!駄目なモノは駄目でした!それほど、今年の我が地元は天候、気候が最悪だったのです。
それでもだ、やはり諦められないんだ、秋のでっけえシーバスは。
そんな折、またしても雨が降った。今年の10月にして、これでやっと二回目の雨だ。
それ程今年は雨が降らなかった。降らないせいで、水は腐り、鮎は死に、絶望的なシーズンを迎え、そして終わる。
いや、このまま終わらせる訳には行かねんだ。捕らなきゃ終わらせられない!その根性だけが、にしにしを動かす。
秋の冷たい雨が身体を濡らし、当たり前だがものすげえ冷える。水温はほぼ絶望的なところまで落ちた。
多分この雨で捕れなきゃ、今年は本当に終わりだ。
つまり、今が最後のチャンスで、今しかない。
パラパラと降る雨が水面を叩くけど、その中に明らかに雨とは違う波紋。落ち鮎が飛んでいる、が、今回もボイルはない。これだけ水温が落ちれば当然だ。
けど、最後に浸かったこのポイントは、ボトムが土。つまり、砂利や石の場所よりは、僅かとは言え水温が保温される。
落ち鮎のセオリーには全くそぐわないが、ちょっと上流の砂利瀬でパシャった鮎が流されれば、ここに着く奴が居るはずだ…。
フックとリングをでかくし、少しでも浮きを弱くしたストリームデーモンを、水中に噛ませ、落ち鮎がパシャパシャしているところまで、上流からダウンで流し込む。一旦水面に浮かせ、ジャークで大きく波紋を出し、そして水中へ入れて、僅かに待つ。
常夜灯下で、そいつが大口を開けて、デーモンに喰ってくるのが見えた。
この最悪に釣れなかった2022年を、最高に興奮するシチュエーションでバイトしてくれた。
これだよこれ!釣りに一番必要なのは、「感動」だ。
それを与えてくれたこの一匹、本当に、やりきった、そう思える最高のシーバス。
また来年、今度こそ、この釣りを動画でお伝えしたい、そう思いつつ、撮影でホゲたけど、自身のSNSで苦戦と感動をお届けしました。
そんなにしにしの今シーズンは、劇的に変化したシチュエーションで、感動の一匹で締めくくる事が出来ました。
SNSで応援して下さった皆様、本当にありがとうございました。
来年またやるよ!
【タックルデータ】
ロッド:BRIST comodo7.5H(Fishman)
リール : グラップラー301HG (シマノ)
ライン:オシアジガーMX4 PE 3号(シマノ)
リーダー:HDカーボン8号(DUEL)
ルアー: ストリームデーモン170J(エバーグリーン)
フィールド:新潟県
魚種:シーバス
アングラー:西村均