下に防寒を着ないと釣りができない凍てつく季節。
この季節になるとホームのサーフはフラットフィッシュシーズンに突入する。ホームにしているサーフは有名な遠州灘のような大きく波の高いサーフではなく、沖70~80m程にテトラが横に並びそれより手前は静かなサーフ。
一見釣りやすいサーフに見えるが、いざ釣りを始めると牙を剥く。静かなサーフではあるが、反して水中は根だらけで何も知らず投げるとルアー全ロストは免れない。
目で見える潮流は離岸流があるが、離岸流だけ狙っていては魚には出会えない。根のジャングルを回避できるルアーチョイスと、巻いて伝わる流れを読み解く事がこのサーフでの魚の釣り方だ。
今回はいつも狙っているポイントではない場所での釣行。理由は過去のデータで実績のある潮と、その潮の時に釣れた場所という事。しかし、その時のデータとは異なるのが“テトラの工事”。そう、過去にあったテトラが無くなった事で地形が大幅に変わってしまったのだ。
それは、いざポイントに着いた時にすぐにわかった。いつもなら左から右に流れる流れが右から左に流れている。ルアーを流すと中も右から左に流れる潮でかなり強め。すぐに流されてしまう。全てのポイントでこの状況ならかなりキツイと思いながらも投げている内に、潮に流されず真っ直ぐ引ける場所を見つける。
魚がいるならここだ。
直感的にそう思う。その場所は幅2m程のでやはり手前は離岸流が流れる場所。離岸流は足元1.5m先から地形を徐々に掘り、テトラ5m手前が大きく掘れており溝のようになっている。右から左に流れる潮の下に真っ直ぐ引ける溝の地形。このT字の重なった所に流されずに溝を引ける重めのルアーをピンで撃てるかが釣果の分かれ目であった。
65m沖のピン撃ち。Fishmanロッドはそんな事も容易くこなす。普段はより遠投性能を重視してBRIST VENDAVAL10.1Mを使っているが今回は距離はそれほど必要なく、また小場所で繊細な釣りをする為にBeams CRAWLA9.2L+をチョイス。それが正解でピンにバシバシ決まる。
溝を引いた時にその時は来る。
「ゴンッ ブルブルッ ゴンッゴンッ」
これぞTHEマゴチと言った引き。強烈な引きと首振りはBeams CRAWLA9.2L+のしなやかさが全て無に返す。そして無事にキャッチ。
過去のデータと経験、手に伝わる潮の流れや地形把握が全て噛み合った1匹。
大場所でも、今回のようなサーフでも、様々な要素が噛み合って出る一発がサーフフィッシングの醍醐味と自分は思う。
【タックルデータ】
ロッド: Beams CRAWLA9.2L+(Fishman)
リール: 23アンタレス DCMD LEFT(シマノ)
ライン: レジンシェラー8 1.5号(山豊テグス)
リーダー: 耐摩耗ショックリーダー25lb(山豊テグス)
ルアー:ビーチウォーカー ウェッジ95S ヒラメゴールド(DUO)
フィールド:神奈川
魚種:サーフフラットフィッシュ
アングラー:引本 岳