新たなロングロッドの始動と可能性

新しく始動したロングタイプのプロトロッド。

まだ手元に届いて2ヶ月弱、とにかく釣りに行ける暇さえあればテストに没頭している日々です。

季節は暦で立春。今年は大寒波などが2月に襲来で、気温が物凄く低いですが、立春頃になると磯からのショアレッドを狙うのが毎年のルーティンなのでそれに合わせてロッドテストの日々。

まず最初に行うのがベイト探し。ベイト依存が強い大型の乗っ込み真鯛を狙うのに欠かせないのがとにかくベイトです。

ベイトを見つけれたら次に、ある程度ベイトの動きを把握する事。その後は、何処に真鯛が回遊するのかイメージして目処を立てます。

特に意識してるのは、沖にあるディープとシャローの距離が一番狭い所を狙うようにしてます。そうやって一つ一つピースを埋めて行き、今年はこの辺りが良さそうだなって所を決めたら後はそのポイントに何度も何度もエントリー。

勿論、生き物相手なので一回もバイトすらない日も多々あります。ですが、自分の勘をとにかく信じてひたすらに通う日々。

そして、ついにその日はやってきた。

ポイントに着いて毎回やっている事ですが、ミノーでテンポよくベイトがいるエリア(300m~500m)くらいをランガン。一通りランガンしたら、次は回遊がありそうな所に立ち位置を取りお地蔵さんのように気配を消し回遊待ちの釣り。

この日はベイトの浮きが悪かったのでシンペンをキャストしてゆっくりフラフラとただ巻き。

キャスト開始3投目でいきなり「ガツーン」と強い衝撃バイト。喰った瞬間からゴリゴリに締め混んでるドラグが音を立ててガンガンにラインが出て行く。

「デカイ!」と独り言。

潮の流れもガンガンに流れ、あっという間に数十mを一気に出され水中にあるシモリに一回目のスタック。喰った所がシモリだらけの難易度が悶絶に高い所だったため、ドラグを出されたらスタックするようなポイント。

ですが、諦める訳には行かない。立ち位置を右に、左にと変えて数分、なんとか根から出てくれた。

よしっ!とファイト再開…も、体感した事ないくらいの重量感とトルクの持ち主。数分ファイトして、違うシモリに2度目のスタック。

心の中では流石に終わった。と弱気になりそうになりながらも、また立ち位置を右に、左にとやる事数分、なんとまた根から出てくれた!何度も何度もリーダーが擦れる感触があったので次は無いと、シモリが激しい所に向かう魚を必死にロッドでコントロール。

そこからは寄せては出されての攻防。この攻防が出来るのが今回のロッドの長さとパワーのいい所。

そして、ようやく魚体が見えるっと言う位置まで寄せ、見えた瞬間で分かった自己記録級の真鯛。

長年生きてきたであろう魚。長時間ファイトしたにも関わらないのに、まだまだめっちゃめっちゃ元気に暴れる。魚からも人間が分かる距離まで寄せると、最後の最後にフルパワーのワンダッシュ。これで思いっきり出されたらその先にまたシモリ。

そして3度目のスタック。何てパワーやねん!っと正直この時ばかりは泣きそうでした。絶対終わった…もうキャッチは不可能か…魚にルアー残してのブレイクだけは嫌だなと頭のなかに色んな事が駆け巡る。

そこから数十分とにかく色んな事を試しました。どうにか根から出てくれないかと、とにかく試行錯誤。この時恐らくリーダーも限界。諦めがムードな時間が流れる。はぁ~っとため息もでる。

糸をフリーにして空をながめてると手元の糸がグインとでた。もしや!っとロッドを煽ると根から出てくれとる! そこからはもうがむしゃら。何とか足元まで魚寄せランディングできる所まで誘導。

そして事件はおきた。足元の深みに真っ直ぐに突っ込む魚、ロッドの角度は90度フルパワーでフルベンド!その瞬間パァーんっとロッドが弾け飛ぶ。

めっちゃめっちゃ焦りましたが魚はバレて無い!折れたままでのランディング。リーダーを見ると物凄くズタボロ状態。3ヒロ強とっていたロングリーダーだったからブレイクせずにキャッチできたと、ベイトロッドでの利点の1つが強く生きた場面。

フィッシュグリップをしっかり口に噛ませて最高のガッツポーズ。貫禄たっぷりの90オーバー。

魚がデカく若くない事は分かってたので写真を素早く済ませ(撮影中、魚が元気に物凄く暴れてルアーは変な所につきました)蘇生に時間をしっかりかけ元気になったタイミングでリリース。

最高の出会いに感無量でしばらく放心。

ファイト中明るかった空は気がついたらもう辺りは真っ暗。アクシデントはありましたが、最高のロッドテストができたと思っています!
現場主義の超実釣スタイルでロッドをテストしていくので、このプロトが完成された時には最高のロッドに仕上っていると思います!

そして実は、このロッド今回1つのテーマを掲げてるロッドなのです。

それはまだ初期段階のロッドなので可能にはなってないですが、超スーパー飛距離砲の200m砲。これが実現できたならば未だかつて無い飛距離のアドバンテージが手に入るわけです。ですが、まだまだこれからロッドの色んな所を改良して行く必要がある段階です。

皆さんにも最高のメモリアルな魚と是非!出会って欲しいと強く思い、他にも数名のスタッフもテストしているので意見の交換などを何度も繰り返して、必ず最高最強飛距離の出せるロッドに仕上げてみせますので楽しみにして待って貰えたら嬉しいです。

【タックルデータ】
ロッド:1010MHプロト
リール:CALCUTTA CONQUEST301xg
ライン:ANSWER CASTING peX16 2号
リーダー:RooTs35lb
ルアー:ヨイチ99
フィールド:長崎県
魚種:真鯛
アングラー:島内聖隆

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