誕生日シーバスを釣り、契約メーカーの動画撮影も無事キャッチ。
ご満悦のにしにしは、あと一匹・二匹は釣りてえぜ!と意気揚々と川に繰り出す毎日だ。
だがしかし…なんだ今年の異常気象は…いつになったら冷えるんだ、いつになったら水温は下がるんだ…水温下がらないから鮎が落ちてこねえ!!!
ヤバいヤバいヤバい…これはあかん。これ以上、落ち鮎が遅れたら、シーバスのほうが先に落ちてしまう…これはあかん、今年はおかしい…と焦りながらも、毎日毎日、川に水温計を垂らし、月齢とにらめっこし、落ち鮎の動向を探って探って…。気付いたら1週間マルホゲドン!!なーんの魚の気配もねえ。
もしやこれは、ドツボったか…??やっぱシーバスのほうが落ちてしまったか…今季は最後の最後でスカ喰らってしまったのか?雨も降らん、残暑は続く。10月最終週で防寒着も着ないで川に浸かるなんて、釣り人生で初の経験だw
そんなヤバみたっぷりな1週間。
遂に待望の雨が降った。そしてとうとう、探し続けた、大鮎のパチャリを見つけ、それと同時に吹き上がる水柱を認む!!!
居た!まだ純淡水、河川上流にモンスターは残ってた!!逃がさん…お前だけは…
雨の影響が落ち着いた2日後、またBC4 8.0MHを手にした。ロッドもリールもラインもルアーも前回と同じだ。
この時期、流れるデス鮎を喰うシーバスは、実はどんなにでかくてもバイトがショボくなる。逃げる力も残ってないデス鮎が流れてきたのを、チュッと吸えば喰えてしまうからだ。
そんな時だと、コモド75Hよりは弱いが、クローラ83L+よりは強いと言う、絶妙なパワーバランスの80MHが活きる。ティップだけやや入り、次のセクションからはえらい強い。弱いバイトを掛け、重い魚をしっかり乗せる。こんな仕事は80MHにお任せだ。
砂利瀬が延々と続く大場所。
橋桁はあるけど、水柱はそこじゃなかった。少し下流、対岸に見える柳のオーバーハング、そこに引っ掛かったろうデス鮎が狙われる。
ダウンクロスでその柳の上流に落とし、水中にルアーを噛ませて弱々しくだけ動かし、そして流し込む。
これで釣れなきゃあの水柱は幻覚だw
「ジュボっ!!」
と音が立ち、一瞬ロッドで生命感を感じてから、絶対確実なフッキングを入れた。
途端に始まるエラ洗い、その激しさたるや、今季イチの激しさだったが、間髪入れずに今度は水中を下流へダッシュしていく。バットまで加重するも、ドラグはかなり出され、ラインがギリギリ…と軋む。
これ、このまま耐えてたら、一瞬何かあったらラインが弾ける!そう予感し、すぐさまスタードラグをほんの少し緩めた。…こんな咄嗟の動作ができるから、ベイトタックルを選ぶんだ。
自身も下流へ歩を進めながら、少しずつ、少しずつ魚との距離を詰めた。街灯の明かりがやや差し、エラ洗いのたびに、その巨体を映し出す。
でけえ…太ぇ…。
太さなら間違いない、今年一番だ。これを、こいつを捕れれば、今年はもう満足できる。
ジワリジワリと左手に構えたボガに近付け、そしてカチャリと閉じた。
あまりにもでけえ…。これ、水揚げは不能だ。と言うか、ブツ持ちも躊躇われる。
岸際の泥っぺえとこでメッシュメジャーに乗せてみたが、あまりの重量に、メッシュを泥が抜けて、魚体が沈んでしまう。これじゃ息させられない、と、また川に自身が浸かり、その重さを支える。
あまりにもでか過ぎる…
そこで咄嗟に思い付いたw 膝で支えて写真撮ろう!そしてその巨体は最高の姿を、デジタルに記憶してくれた。
もう満足だよ…こんなミラクルが起きるから、釣りは楽しくて仕方ないんだ。
そして最後の最後、四十肩をギシギシさせながら、たった2枚だけ、ほんの一瞬だけ、魚体の重量をしっかり支えながら、ブツ持ち撮影させて貰った。
この写真だけで十分。この思い出で、もうおらは冬眠期間に入れるよ。
また、来年もこんな記憶を求めて、川を歩く事になるだろう。それまで数ヶ月、川よ、眠っておくれ。
【タックルデータ】
ロッド:BC4 8.0MH(Fishman)
リール : カルカッタコンクエスト201HG (シマノ)
カスタムパーツ:アベイル
ライン : ピットブル4 2.0号(シマノ)
リーダー:HDカーボン6号(DUEL)
ルアー: テリフDC15(Duointernational)
フィールド:新潟県
魚種:鱸
アングラー:西村均