想像して欲しい。
60~70m先に漁礁があるフィールド。ベイトの気配は無く、潮流は不規則で魚が付いている可能性は低い。ただ漁礁ギリギリにはカタクチやイナッコが沸いている。魚にコンタクトするにはギリギリを攻めるしかない。
…そんなフィールドで育った私のキャストフォーム、他の人から見ると独特なフォームに見えるらしい。
元々腕力があまりない為、竿の力を目いっぱい利用し、また体の使い方を工夫して投げるフォーム。だから簡単にロングキャストのピン撃ちも決まる。
具体的な投げ方は、足を肩幅より少し広めに開き、投げたい方向に体を正面に向ける。タラシを少し長めに取り、強めに振り上げ竿を曲げる。この時に意識する事はベリーとバットの間にルアーの重み・遠心力で生まれる重みを乗せるイメージを持つ事。
その2つの重みを乗せて投げたい方向に出力を変える。この時に腰を回して遠心力を付け、エンドグリップを握っている腕をヘソに向かって瞬間的に絞ると竿が自然と「つ」の字に曲がり、3つ目の力「竿の弾性・復元力」が加わる。
この「ルアーの重み」「遠心力」「竿の復元力」3つの力を使う事で力むことなく放出まで移行でき、また力みが無い分リールを持つ腕のぶれやラインから指を離すタイミングのミスが軽減される。
最後の着水まで目で追える為、ギリギリの所でサミングして狙った事にルアーを落とせる…というのがこのキャストの強みだ。
ロングロッドを使うベイターは100mオーバーのロングキャストが大きな目標としてあると思う。私のキャストフォームはピンに特化しているが、ある工夫を加えると100mがグッと近くなる。
要点は2点。
①正面を向いていた体を少し半身にする ②最後のリリースの角度を少し上にする
この2点だけ。
半身に構える事で腰の可動域が広くなり、より強い遠心力が加わり、リリース角度を30~45度から60度程に変えるだけで飛距離は格段と変わる。
あそこに届かせたい!あそこのギリギリを狙いたい!
そんな時にブレーキをギリギリ設定して高切れ…あるいはブレーキを強くし過ぎてポイント1m手前で失速…。
大事なのはリールのブレーキではなく“フォーム”なんです。