こんにちは、Fishmanテスターの上宮です。
先日、FishmanとSkagit Designsさんとのコラボルアー『パンプキン』と、BRIST 11XH protoのプロモーション動画の撮影に沖縄県の宮古島を訪れました。
ターゲットはGT、現地の呼び名では『ガーラ』ですが、もちろんショアからのチャレンジです。
狙うフィールドは手軽な漁港をはじめサーフ、磯と多様でしたが中でもわたしが初体験で虜になったのがリーフエッジからのキャスティング。
『最高峰のショアゲーム』と評される事もあるだけに、非常に非常にタフなゲームでした!
釣りが成立するのは、干潮前後のほんの三時間だけ。
潮位が充分下げなければリーフエッジには辿り着けません。
また、本格的に上げが効き始めてしまうと外洋の力強い波をモロに食らってしまいます。
カメラやマイク、絶対に濡らせない機材があるためにもちろん無理が効きません。
足元は珊瑚礁。
非常に不安定な足場の中で大小常に波を食らい続け、おまけにその足場が脆い!
波に備えてグッと踏ん張るとボロッと崩れる事もしばしば。
体勢を整え崩れた場所をよく見れば、深い蒼の奈落が口を開けていたり!
リーフエッジ付近はどこもオーバーハングの庇状でウッカリ珊瑚を踏み抜いて深い海に吸い込まれそうな恐怖も頭をよぎる事もあるわけです。
そんな環境では身体がどうしても力みます。
力みはロッドを握り締める手にも当然現れます。
長い竿にはレベルワインドが着いていないゴツくて重いリールを着けて、竿先にはヘビープラグをぶら下げて挑むこの釣り。
磯からであれば、かなり不安定な場所でも何の問題もなくこなせていた事が、リーフエッジではなかなか上手く出来ないのです。
疲労するに連れ、トラブルが頻発し始めます。
日頃のキャスト練習も筋トレの成果も虚しく、波に翻弄され足元の不安に戦き道具に振り回される始末。
サミングする親指も、いつも自分で「ラインではなく、スプールエッジを押さえる」と言って来ましたがまだまだ充分ではなかったらしく、スプール表面と芯の速度差によりワラワラと弛んだラインがスプールの芯から沸き上がるようにバックラッシュを頻発!
すると、バックラッシュを解いている間にエッジの乱流にラインが取られて珊瑚にリーダーが絡まる始末。
無理矢理リーダーを引けば珊瑚は脆いのでルアーをロストする事はありませんが、リーダーは傷だらけになるので結び直し…
疲れてしまってからはその無限ループ(笑)
魚を掛ける以前の問題があまりにも多大でした。
恐らく、こんなにもエクストリームな環境での魚釣りを求めるアングラーは圧倒的少数派でしょう。
地元でもリーフエッジでルアーをキャストするアングラーはかなり少ないと聞きましたし、実際そんな猛者は殆ど見かけませんでした。
わたしが作っている竿は『磯ベイト』、磯を主戦場とするベイトキャスティングロッドです。
試投会等で投げていただいたアングラーさんの評価からすると、ひょっとしたら既に磯での取り回しはかなり良いのかもしれません。
ですがこの遠征以来、求める性能の基準が確実に上がってしまいました。
磯では見過ごしていたウイークポイントを宮古島のリーフエッジ釣行からいくつもいくつも気付かされました。
グリップの形状だったり、あるセクションの反発力だったり、バットガイドの位置やハイトだったり…
改善すべきはロッドだけでなくタックル全体のセットアップも、もちろんわたし自身も。
ビルドアップはまだまだ止まず!
ヘンタイが加速します!
いつかアングラーとして一段高みに立ったと感じた時に、信頼できるタックルを手に再度挑みたいと思います。
きっとまた大問題に遭遇するんでしょうが(笑)
ありがとう宮古島。
わたしの釣り人生に一石が投じられた場所
Reef shore fishing at Miyako ireland Okinawa
Rod:BRIST 11XH proto
Angler:Noriyuki Kanmiya