3月。
いよいよ開幕した2020年トラウトシーズン。
今年は久しぶりに解禁直後、新潟の南魚沼市を流れる本州の鱒の聖地、魚野川の本流に出ました。
近年では以前の水害で大被害を受けたこの川の生態系を取り戻す活動をしておりますので、あまり本流では釣りをしなかったのです。
ですがその活動の成果がちらほらと見えはじめ、それならばとかつてのトラウトドリームを見てみよう。
あの豊かな河川はどれくらい復活しているのだろう。
そんな気持ちで川に立ちました。
異常なまでの小雪の暖冬だった今年。
河原まで歩くのも楽々だったので、解禁日から沢山のアングラーさんの姿が見えました。
そんな風景を尻目に車を走らせ、エントリーしたのはかつてオバケレインボーをキャッチした流域。
昨年の台風19号によって暴れただろうそこは、なんと寧ろかつての様相に戻ったかのようでした。
太く荒い流れに大きな支流が刺さるそこは、魚の居場所にルアーを送り込むのもひと苦労。
そんなエリアで選んだのはBeams CRAWLA8.3L+。
なんといってもこのロッド、魚野川でテストを繰り返した経歴があります。
6cm程度の小さめなミノーやシンペンを流れを利用してボトムの底波まで到達させ、針掛かりしづらいトラウトに針を乗せて掛ける。
そんな釣りで鍛えたクローラ83は、言ってみれば生まれ故郷に帰ってきたようなもの。
あのキャスト、操作、感度、全てはここから始まりました。
故郷凱旋、一発ドン!と出て欲しい…。
若干ウェイト調整をして、スローシンキングにしたミノーを対岸のヨレの上流へ撃ち込み水噛みさせたら、クラッチを切ってどんどんボトムへ送り込む。
そして、その流れが留まるピンポイントまでドリフトさせる。
繊細な操作で流して、繰り返すこと複数回。
ゴンっ!と来たファーストバイトは乗らず。
けど、それが乗らないバイトだと言うのはロッドから伝わったので、敢えての無反応で静かに回収。
次のアプローチを全く同じく再現し、同じ留まり波に到達した…その瞬間。
ロッドは満月に曲がり、強い流れの中での緊張のファイト。
ネットに収まるまでバクバクと心臓が停まるかと思った。
『魚野川の潜水艦』の異名を持つ雪代岩魚。
本当に素晴らしい一匹でした。
ネットからスルッと抜け出て水底へ消えたその姿は、往年の魚野川が再び戻りつつあるんだ。
そんな感慨を与えてくれました。
Niigata Japan
Char
Rod:Beams CRAWLA8.3L+
Angler:Hitoshi Nishimura